富永茂樹

 

所属:京都大学 人文科学研究所(文化生成部門)・教授
学位:京都大学博士(文学)
主要業績
《著書・編著書》
富永茂樹,2005,『理性の使用――人はいかにして市民となるのか』みすず書房,264頁.
亀山佳明・清水学・富永茂樹編,2002,『文化社会学への招待』世界思想社,334頁.
富永茂樹編著,2001,『資料 権利の宣言 1789年』京都大学人文科学研究所.
 《論文》
富永茂樹,2009,「«国民»の困難—啓蒙、宗教、コミュニケーション」大澤真幸編『ナショナリズム論・入門』有斐閣,131-51.
富永茂樹,2007,「メランコリーの廃棄—エスキロルを読む」坂口・岡崎・池田ほか編『精神医学の方位』中山書店,2-6.
富永茂樹,2006,「憂鬱という淵源—トクヴィルと近代社会学の発見」『みすず』546,8-17.
Tominaga, Shigeki, 2005b, De Brissot à Tocqueville : Amérique, la Révolution et démocratie, La France et les Etats-Unis, deux modèles de démocratie, Maison Franco-Japonaise.
富永茂樹,2005,「«マクルーハン» とはなんであったか—1960年代と知の転回」『科学研究費成果報告書・1960年代の研究』,1-9.
富永茂樹,2003,「中間集団の声と沈黙—1791年夏—秋」『人文学報』88,33-82. 
富永茂樹,2003,「フランス革命と社会学」『社会学雑誌』20,42-61.
富永茂樹,2002,「魅力ある都市の条件—環境図式»の観点から」『国際シンポジウム報告書 新・都市の時代』千里文化財団,22-9.
富永茂樹,2001,「革命記念 1989年から1790年へ」三浦信孝編『普遍性か差異か 共和主義の臨界、フランス』藤原書店,139-54.
 
所属研究班: 理論研究班
現在のテーマとGCOEへの抱負
・主として知識社会学の観点から、近代社会に生きる人間の認識構造の基本特性を明らかにするため、これまで文学をはじめとする芸術作品、都市空間、18世紀とりわけフランス革命期の言説などの精密な解読と解釈を試みてきた。こうした蓄積のもとに、異なる文化領域を越えて成立する近代性の解明を展望している。
・従来、アジアやアフリカ・ラテンアメリカ社会で構成される共同体や家族は、ヨーロッパ近代によって形作られた共同体や人間像とは異質なものとして表象されてきた。そこでは、逆に西欧近代が均質で一枚岩的社会として認識される。これに対して本研究は、この近代化による人間形成の過程がきわめて複雑で動態的なものであり、さらにそうした状況のなかで近代社会に生きる人間の基本的な認識構造の近縁性を明らかにした。その意味で、現代世界における「人間とは何か」「人間の認識とは何か」「人間の共同とは何か」という原理的問いかけに応えるための理論的あるいは歴史的研究において成果をあげてきたといえる。
・こうした理論的・原理的研究とは別に、ラパス(ボリビア)における戸外空間、フランスにおける住宅観、フランスおよびフィンランドでの家庭における環境教育などの調査研究にも長期間従事してきた。こうしたフィールドワークの知見をもとに、理論的研究はつねに見直されている。
・これらの成果は著書や論文のみならず、人文科学研究所において組織した共同研究や文学研究科において担当する講義、さらに国内外でのシンポジウムや講義、講演をとおして公表し高い評価を得てきた。そのことは、2005年にフランス学術功労賞オフィシエ級を受賞したことによっても証明されている。
・さらに本研究の基本的モデルは、海外からも大きな反響と関心をよんでおり、文系理系の枠を越えて国内研究機関に属するさまざまな領域の研究者との共同研究はいうにおよばず、海外の大学・研究所における講義・講演などをとおして、とりわけフランス、カナダ、合衆国の研究者と緊密なネットワークを形成・維持してきている。
・また、行政機関との連携においては、京都市の芸術文化政策の策定にかかわることにより、研究の成果を社会的貢献に活かしてきた。
 
GCOE「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点における活動
委員会等
・理論研究班班長
・運営委員会

 

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