GCOEの達成したこと、そして感謝

 

落合恵美子 (COE拠点リーダー)

 

GCOEもいよいよ完結の時を迎えます。5年間の活動を振り返り、何が最大の成果であったかと問われれば、迷わず「グローバルネットワークの構築」と答えます。わたしたちはこのネットワークに加わってくださった世界の研究者たちと、研究と教育の両面での国際連携の実績を積み重ねてきました。最初に8大学から出発した海外パートナーは、現在は33大学・研究機関に拡大し、アジア16 拠点、ヨーロッパ12拠点、北米4拠点、オセアニア1拠点の研究者が参加してくださっています。これらのパートナーと共に、2011年に「親密圏/公共圏研究コンソーシアム」を立ち上げ、2012年にはその事務局として京都大学文学研究科内に「アジア親密圏/公共圏教育研究センター」を設置しました。

 

 GCOEの学術的成果は、多くの書籍や論文として公刊してきましたが、2012年には英語と日本語での成果シリーズの刊行を開始しました。英語シリーズはThe Intimate and the Public in Asian and Global Perspectives (ブリル社刊、16巻予定、http://www.brill.com/publications/intimate-and-public-asian-and-global-perspectives)、日本語シリーズは「変容する親密圏/公共圏」(京都大学学術出版会刊、20巻予定)です。すべての巻は国際共同研究の成果であり、「親密性の労働」「東アジアの労働市場」「国際人口移動」「ケアレジーム」「美術と親密性」「アジア比較家族法」などのテーマが並びます。他に、アジア9社会の親密性研究の成果を共有するAsian Families and Intimacy 全7巻も英語での出版を予定しています。

 

 人材育成面での成果は、海外パートナーとの協力により、恒常的な学生と教員の交流を組み込んだ国際連携教育の枠組を確立したことであり、「アジア版エラスムス・パイロット計画」の目標は達成されたと言えるでしょう。このプログラムにより国境を越えた友情が育ち、アジア地域内およびアジアとそれ以外の地域の相互理解が深まったのを見るのが、GCOEの事業推進担当者たちにとって何より嬉しいことでした。すっかり定着した「次世代グローバルワークショップ」を含め、国際連携教育は今後も継続していきます。幸いなことにその予算的裏付けも獲得しました。GCOEの志はプログラム終了後も受け継がれ、発展してゆくのです。

 

 最後になりましたが、一緒に活動してくださった海外パートナーの方たちへ、また国内外で私共のGCOEの活動をさまざまなかたちでご支援くださいました全ての方々へ、GCOEの事業推進担当者を代表しまして心より御礼申し上げます。GCOEの活動に参加した出身国もさまざまな学生たち、すでに巣立っていった若い仲間たちが、GCOEでの国際経験から得た種子を世界のあちこちで育て、花開かせてくれることを楽しみにしています。

 

お知らせ

 

アジア版エラスムス・パイロット計画

アジア版エラスムス・パイロット計画

EUにおける大規模な教育交流プログラムであるエラスムス計画をアジアにおいても実施するための先駆的・実験的な計画です。海外パートナー拠点との学生・教員の恒常的交流をつうじて、アジアの次世代の社会科学研究を担う国境を越えた同窓生ネットワークを構築します。
  
 
2008
2009
2010
2011
2012
派遣
次世代研究者
募集
 
 
該当者無
 該当者無
 該当者無
 該当者無
教員
募集
 
 該当者無
 該当者無
 該当者無
該当者無
招聘
次世代研究者
募集
教員
募集
 
 

 

印刷用画面

京都大学・台湾大学 東アジア社会学国際学術検討会・報告者募集

京都大学グローバルCOEプログラム「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点」では、京都大学と台湾大学の学生同士によるワークショップを開催します。

募集案内はこちらから >> 【PDF】

 

印刷用画面

次世代研究・次世代ユニット説明会資料

本日6月22日に開催した次世代研究・次世代ユニット説明会配布資料および旅行日程表をUPしました。

資料はこちらから >>

印刷用画面

7/3(金)第三回全体研究会のお知らせ

第三回全体研究会「戦後日本におけるジェンダーとセクシュアリティの歴史研究へ向けて」

このたび歴史研究班では、「戦後日本におけるジェンダーとセクシュアリティの歴史研究」というテーマで、共同研究を開始します。そこで、この共同研究を開始するにあたり、問題関心の一端を知っていただくために、下記の要領で全体研究会を行うことにしました。学内外を問わず、多くの方々のご参加をお待ちしております。

印刷用画面

京都大学における男女共同参画に資する調査研究」 研究ユニット募集

グローバルCOE拠点「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点」および京都大学女性研究者支援センターは、共同研究「京都大学における男女共同参画に資する調査研究」(研究代表者:伊藤公雄、稲葉カヨ)を実施します。
この共同研究の一環として、京都大学に在籍する研究者、職員、および学生のイニシアティブにもとに運営する研究ユニット企画を募集します。
男女共同参画という観点から見た京都大学の実情を解明し、効果的な施策の提言につながる企画を、広く募集します。

印刷用画面

6/25(木)歴史研究班第1回研究会のお知らせ

今年度の次世代研究・ユニットが決まりました。採択され、「歴史研究班」として希望を出された方々は、下記の通り、歴史研究班第1回研究会を開催したいと思いますので、お集まり下さい。

集合場所は、文学部新館第2演習室になりました。

シンポジウム・セミナー・研究会情報

-

shownewstories

もっと見る

shownewstories_but

もっと見る