2/24(金) 「戦後日本におけるセクシュアリティと親密性の再編」特別セミナー(3)のお知らせ

京都大学グローバルCOEプログラム「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点」
コアプロジェクト「戦後日本におけるセクシュアリティと親密性の再編」特別セミナー(3)

「赤線」再考

日時:2012年2月24日(金) 14時~18時
場所:京都大学文学部新館地下大会議室

【プログラム】
三橋順子(都留文科大学非常勤講師)
「東京の「赤線」-戦後日本の黙認買売春地区-」
コメンテーター 菅野優香(京都大学人文科学研究所研究員)

加藤政洋(立命館大学文学部准教授)
「赤線時代における京都の〈雇仲居〉文化」
コメンテーター 小山静子(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)

全体討論

【要旨】
三橋順子「東京の「赤線」-戦後日本の黙認買売春地区-」
戦後日本の黙認買売春地区である「赤線」の廃止(1958年)から50年以上が経過し、その実態イメージはすっかり薄らいでいる。この報告では「赤線」とはなんだったのか?という視点で、東京の「赤線」の成立から振り返ることで、忘れられつつある実態を少しでも明らかにし、その上で、戦前の遊廓とは異なる戦後の「赤線」の特質をとらえ直し、現代の買売春問題を考える起点にしたい。とりわけ「赤線」の経済と客層に注目してみたいと思う。

加藤政洋「赤線時代における京都の〈雇仲居〉文化」
京都には、花街の周辺文化として独自の発展を遂げた雇仲居(やとな)と称される制度があった。〈雇仲居〉が(遊廓・赤線を含む広い意味での)花街史のなかで注目されることはこれまでほとんどなかったものの、京都・大阪・神戸にあっては地域的な変差を含みつつ、大正・昭和戦前期の花街ならびに戦後の赤線と密接な関わりを有しながら、それらに対し明に暗に影響を及ぼしてきたという点で、それは無視することのできない文化制度と言えるだろう。
本発表では、主として戦後の買売春(地区)の動向を踏まえつつ、〈雇仲居〉に考察の焦点を合わせることで、京阪神の遊興文化ならびに買売春に関わる隠れた側面を明らかにしたいと思う。実のところ、このことは京都にまつわるひとつの謎――すなわち、明治後期から大正・昭和戦前期、そして戦後を通じて、花街・遊廓・赤線(青線)がひとつとして新たに成立しなかったこと――を解き明かすカギになるのではないか、とも考えている。

主催: コアプロジェクト7「戦後日本におけるセクシュアリティと親密性の再編」
代表: 小山静子
幹事: 赤枝香奈子、今田絵里香

 

 コアプロジェクト「戦後日本におけるセクシュアリティと親密性の再編」
ポスターのダウンロードはコチラ>> (223KB)

記事のオプション

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://gcoe-intimacy.bun.kyoto-u.ac.jp/trackback.php/20120217172341986_ja

この記事にはトラックバック・コメントがありません。
2/24(金) 「戦後日本におけるセクシュアリティと親密性の再編」特別セミナー(3)のお知らせ | 0 件のコメント | アカウント登録
コメントは投稿者の責任においてなされるものであり、サイト管理者は責任を負いません。