川端浩平

所属:京都大学GCOEプログラム「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点」研究員(2011年度)

履歴:

2006年1月 オーストラリア国立大学アジア学部アジア歴史・社会センター博士課程修了(Ph.D.取得)

2007年4月  東京外国語大学多言語多文化教育研究センター・フェロー(至2009年3月)

2009年4月 関西学院大学大学院社会学研究科大学院GP特任助教(至2011年3月)

2011年4月 現職

主要業績:

(共著)
・「岡山在日物語――地方都市で生活する在日三世の恋愛・結婚をめぐる経験から」岩渕功一編『多文化社会の<文化>を問う―共生/コミュニティ/メディア』青弓社、2010年、116-145頁.

・「空間が変わる――グローバル都市/地方都市における「ジモトらしさ」のゆくえ」塩原良和・竹ノ下弘久編『社会学入門』弘文堂、2010年、222-235頁(五十嵐泰正との共著).

・“Liberated from stigma, fettered by freedom: A case study of young Zainichi Koreans living in my hometown” Futselaar, Ralf, and Buchheim, Eveline eds., Race at War: The development of racial stereotypes in periods of Mass conflict, Amsterdam University Press, 2011 (forthcoming).

(単著)
・“Consumption of fear and justice in a declining welfare state: A case studies of the Okayama Guardians” , Asia Rights, Issue 6 , Research School of Pacific and Asian Studies, The Australian National University, 2006.

・Walking my hometown: Practice of Everyday Nationalism in Contemporary Japan, Ph.D. Dissertation, The Australian National University, 2006.

・「排除型社会における北朝鮮バッシングをめぐるエスノグラフィー――地方都市の中小企業の事例研究」『アジア太平洋レビュー』第4号、大阪経済法科大学、2007年、35-50頁.

・「在日コリアンをめぐる記憶と「郊外」――地方都市郊外(ホームタウン)における日本人の「廃棄」された記憶から」『多言語多文化―実践と研究』vol.1、東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター、2008年、55-75頁.

・「スティグマからの解放、「自由」による拘束――地方都市で生活する在日コリアンの若者の事例研究」『解放社会学研究』21号、日本解放社会学会、2010年、83-100頁.

・「もう一つのジモトを描き出す――地方都市のホームレスの若者から地元現象を考える」『先端社会研究所紀要』第4号、関西学院大学先端社会研究所、2010年、35-51頁.

・「越境する知識人と液状化する地域研究――オーストラリアにおける日本研究の展開」『オーストラリア研究』第24号、オーストラリア学会、2011年、72-88頁.

・「ジモトへの回帰と挫折――企業城下町で起きた大学生殺人事件をめぐって」『KG/GP社会学批評 別冊 共同研究成果論集』、関西学院大学、2011年、111-118頁.

・「不可視化されるマイノリティ性――ジモトの部落、在日コリアン、ホームレスの若者たちの研究調査をめぐる軌跡から」『解放社会学研究』25号、日本解放社会学会、2011年(掲載決定済み).

(翻訳)
ウマ・ナーラーヤン(共訳)『文化を転位させる――アイデンティティ・伝統・第三世界フェミニズム』法政大学出版局、2010年、207-265頁.
 

所属研究班:

現在の研究テーマとGCOEへの抱負:

 ・現在の研究テーマ

  自分が生まれ育った地方都市/ジモトのフィールドワークに基づいた質的研究。といっても、ジモトに閉じこもるのではなく、フィールドや専門領域を越境することを通じて<不可視化されている>フロンティアを旅している。研究調査、活動の実践、日常生活を往来するなかで考えることを大切にしている。三つの方向性へと展開しているが、それらをうまくまとめていくのが今後の課題。

 (1) 非集住的な環境で生活する在日コリアン、ホームレス、被差別部落の若者へのインタビュー調査をもとに、彼/彼女らの帰属意識の形成と差別・排除のリアリアティを明らかにすることを試みている。とりわけ、親密な領域における帰属意識の形成と私的領域における差別・排除の問題に注目している。

 (2) グローバリゼーションに対して掲げられる地元への包摂を促すマジョリティのとりくみ(まちづくりなど)が意図せざる結果としてもたらされる排除(例えばホームレスの人びと)と没個性化(名前が違うだけで同じ味がする饅頭やサブレから町並みまで)に関する考察。

 (3) 地域研究としての日本研究(Japanese Studies)によって構築されてきた地域の文化やイメージを支えている本質主義的な理解に対して、フィールド調査を踏まえたトランスローカルな視点からの問い直し。ネイティヴ知識人としての役割を担うことに関する批判的研究。

 ・GCOEへの抱負

  GCOEでは、みなさま(この文章を読んだあなた!)とともに非集住的な環境で生活する在日コリアンの親密圏・公共圏における帰属意識の形成と<不可視化される>私的領域における差別・排除との対抗関係について考えていきたい。その際には、親密圏・公共圏における日本人やその他のマイノリティとの関係性や日常的実践にも着目し、研究調査と活動(政治)の互酬的な関係性において構築されてきた政治的アイデンティティを再検討することをめざしたい。

GCOE「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点における活動:

 1 研究プロジェクト

 (1)次世代研究ユニット「地域社会で不可視化された領域を考察するための<方法としてのジモト>」研究代表者(2011-2012)

 (2)日本学術振興会 科学研究費補助金 若手研究B(課題:「<非集住地区>で生活する在日コリアンの個人化と帰属意識の変容に関する研究」)研究代表者(2011-2014)

2 成果公表(2011.4-)等(成果刊行物、口頭報告等のリスト)順次蓄積

 (1) 成果刊行物

 (2) 口頭報告

  ・Kohei Kawabata (2011), "Transforming Representations of an Ethnic Minority/Enclave: A Case Study of Young Zainichi Koreans in a Regional City of Japan", Interdisciplinary Approaches to Concepts on the Intimate and the Public, University of Jyvaskyla & Kyoto University GCOE International Seminar, Kyoto University.
 

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