中村 俊春

中村 俊春

所属:文学研究科教授

履歴
   専門は西洋美術史。特に17世紀フランドルおよびオランダ絵画を研究。
国立西洋美術館学芸課研究員、京都大学文学部助教授を経て、2003年4月から現職。
文学博士(京都大学)。

 

主要業績
   Rubens and his Workshop: The Flight of Lot and his Family from Sodom、国立西洋美術館、 1994年12月(編著)
 
Rembrandt as Norm and Anti-Norm: Papers Given at a Colloquium Held at the Graduate School of Letters, Kyoto University, December 15, 2002、京都大学文学研究科、2004年3月(編著)
 
"Rembrand's Blinding of Samson: A Work for Artistic Emulation with Rubens?, Rembrandt and Dutch History Painting in the 17th Century, ed. Akira Kofuku, The National Museum of Western Art, Tokyo, October 2004, pp.123-138.
 
「ヴァン・ダイクとチャールズ1世の宮廷 —"イギリス時代を概観して—"」、『西洋美術研究』、2006年4月、pp.47-67.
 
『ルーベンス 絵画と政治の間で』、三元社、2006年8月
 
「1603年のルーベンスのスペイン行と2点の絵画」、小佐野重利編『旅を糧とする芸術家』、三元社、2006年12月、pp.121-164.
 
「近世ヨーロッパにおける平和と戦争のイメージ —"80年戦争の時代のネーデルラントを中心に—"」、『グローバル化時代の人文学』、2007年3月、第2部・第8章、pp.197-224.
 
「自立への苦闘 —"若きヴァン・ダイクとルーベンス—"」、『西洋美術研究』13、2007年7月、pp.158-184.
 
「家庭を描いた17世紀オランダ風俗画の中の主婦と女の使用人」、展覧会カタログ『フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展』、pp. 34-43.
(英訳:"Housewives and Maidservants in Dutch 17th Century Paintings", Milkmaid by Vermeer and Dutch Genre Painting, Tokyo, September 2007, pp.14-21)
 
「切断されたメドゥーサの頭部 —"ルーベンスによる美術愛好家に向けての恐怖とおぞましさの演出—"」、科学研究費研究成果報告書『<醜>と<排除>の感性論—"否定美の力学に関する基盤研究—"』、研究代表者:岩城見一、2008年3月、pp.93-108.
 
所属研究班:歴史研究班
 
現在の研究テーマとGCOEへの抱負
    近年取り組んでいる研究テーマのひとつは、17世紀フランドルの画家ルーベンスと他の画家たちとの共同制作の問題である。多くの助手を擁する大規模な工房を経営し、効率的な作品制作を行っていたルーベンスは、しばしば、工房外の画家たちとも共同制作を行った。このような共同制作を成り立たせた制作形態の伝統、理論的背景、画家たちの友好関係、受容層の趣味の問題などについて、具体的な作品に基づいて考察している。
  もう一つの主要な研究テーマは、フェルメール、デ・ホーホ、テル・ボルフなどが制作した17世紀のオランダ風俗画である。男女の恋愛や家庭の様子など「親密なるもの」を描いたこれらの作品には、興味深いことに、しばしば、当時の社会が女性に求めていた美徳、国家が期待していた理想の家庭像などの反映を読み取ることができる。本GCOEにおいては、この研究領域をさらに発展させて、さまざまな時代、地域で制作された「親密なるもの」を扱った美術作品全般を考察の対象とした共同研究を行う。そして、私的な領域がどのように表現され、その表象が公的価値観と如何なる関係にあったのかという問題を、できるだけ多くの作例に基づいて解明する。
 
GCOE「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点における活動
  (1)委員会・役割分担等
      事業推進協力者
  (2)研究プロジェクト
     国際共同研究「東西の美術における家庭、女性、子供の表象」(2008~)研究代表者
  (3)このGCOEに関連した成果公表(2008.7~)等
    2009年5月23日に美術史学会と共催した「美術に見る親密圏の表象」と題されたシンポジウムなど、国内外の研究者組織して、さまざまな研究会やシンポジウムを開催している。これらの研究をまとめた論文集を刊行予定で、目下、準備を進めている。

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